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6月20日 ピアノフェスティバル2021予選会 審査員講評

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ピアノフェスティバル2021予選会 審査員の講評

6月20日春日部店ミニホールにおいてピアノフェスティバル2021予選会が行われ、小学校1年生から高校生までの沢山の生徒さんが、課題曲を精一杯演奏してくださいました。
審査員の先生から各部門ごとの講評、総評を頂きましたので、これからの練習の指針にしてください。

 岡本愛子先生 評

A部門
昨年は新型コロナ感染拡大の影響でフェスティバルが中止となったため、A部門は初めて参加された方たちでしたが、皆さんよく準備していました。a課題は曲のイメージを持って音楽的に弾かれている方が多く、とても嬉しく思いました。b課題も全般には指の動きも良くしっかりと弾けていましたが、左手のハーモニーが強く音のバランスが悪い人も見受けられました。

B部門
一番参加者の多い部門で、平均的に皆さんよく弾けていました。a課題は3曲ともリズムが大切な曲なので、リズムに乗って弾けるかがポイントでした。b課題は指の動きは良いものの、左手の和声に注意が向いていないために、思わぬミスをする人もいたのは残念でした。手の形が崩れているためにうまく弾けない人もいたので、基本的なテクニックを見直すことも大事でしょう。

C部門
この部門は曲の難易度も上がり、表現により細やかな配慮が必要となってきます。a課題では「マズルカ」のリズムの取り方、「甘い夢」の両手のバランス、「アリエッタ」のメロディーの歌わせ方など、様々な要素を組み合わせて弾くことが求められます。ペダルの使い方が上手でない人もいましたので、音をよく聞きましょう。b課題は指は良く動いていましたが、和音の弾き方が乱暴だったり、レガートが足りない人もいました。

D部門
ここまでピアノを継続して勉強してこられた方たちなので、皆さんよく弾かれていました。ただ、それぞれの作曲家の特徴をとらえた演奏は少なかったようです。ハイドンの軽やかさ、モーツァルトの優美さ、ベートーヴェンのダイナミックさなど、音色で表現できるように、音の出し方を勉強してください。テンポが速いので焦って弾いている感じの方もいましたが、拍子感を失わないように注意してください。

E部門
音楽高校で専門的な勉強をしていらっしゃる方たちだろうと思われますが、きちんと基本に従って弾かれていました。ただ、これから専門家を目指すのであれば、それだけでは不十分で、作曲家や曲についての理解を深め、どういう音で弾いたらその曲にふさわしくなるのかを、もっと突き詰めて勉強してください。真剣に曲と向き合う姿勢が必要です。

総評
コロナ禍にもかかわらず、多くの参加者がいらしたことを率直に喜ばしく思います。皆さんとてもよく準備されていて、「ピアノが好きでもっと上手になりたい」という気持ちが演奏を通じて伝わってきました。フェスティバルに参加することによって、日頃の練習の成果を発揮し、また問題点も発見できたと思いますので、今後の練習につなげていって頂ければと願っています。

■ 堺康馬先生 評

A部門
a課題においては、曲の雰囲気を表現しようという意欲が感じられたのは、とてもよかったと思います。そしてb課題は何となくは弾けていますが、もっとレガートの勉強をするとよいのではと感じました。レガートが十分にできるようになると、「歌う」という事につながっていきます。

B部門
a課題はどれも割りと“のりやすい”曲だったので、みなさん楽しんで弾けていたように感じました。それに反してb課題は苦労している人が多かったように思います。細かい音符(16部音符)の粒を揃えてレガートで、そしてある程度のテンポで弾くには、十分な練習が必要ですが、逆に言えばこのようなテクニックを身につければ、これから先の勉強がとても楽になると思います。

C部門
a課題では、みなさん歌心を持っているなと感じました。ただ、響きのバランスをうまく作れていない人が結構いました(特に2と3)。指先への圧のかけ方、タッチのスピード等をよくコントロールして響きを作っていきましょう。b課題は指を動かすだけでなく、和声を感じて音楽を作る訓練だと思って弾きましょう。b-3はnon legatoの指示がありますが、staccatoではありませんので、音を短く切りすぎないように気をつけましょう。

D部門
Haydnはフレーズや段落としてのまとまりを表現するのが難しかったと思います。Mozartは躍動感の中にもエレガントさがほしいですね。Beethovenは激しい部分が多い曲ですが、熱くなり過ぎて走ってしまう人がいたのが惜しまれます。古典派の曲では演奏者の基礎力が現れてしまいますので、しっかりと勉強してください。

E部門
それぞれ良い選曲をしていたと思います。Beethovenに限ったことではありませんが、この作曲家は特に感情だけでは手に負えない部分があるので、楽曲をしっかりと分析した上で、今まで身につけてきたテクニックに更に磨きをかけて、そして本番では冷静さを失わずに演奏してほしいと思います。

総評
コロナ禍のために2年ぶりのフェスティバルでしたが、やはり生の演奏を聴いて審査できるという事がいかに素晴らしいことか、改めて感じられました。参加された皆さんが、音楽に対して情熱をもって取り組んでいて、今回はレヴェルも高かったと思いました。本選を楽しみにしています。また残念ながら予選を通過出来なかった人も、原因をよく考えて前向きに進んでいって下さい。心構えと練習でもって、大きく成長できる年代ですから。 

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